ファイナルファンタジー１２

ゲーム

クリアしました。

ネタバレにつき、折るぞー。


まとめた感想を言うと、「戦争」が主題に来ている分、私がプレイしている7以降のＦＦとはだいぶ毛色が違って、そういう意味では結構新鮮味はありましたね。
けれど、総合評価は中の中ってところですか。

どうもこのネトゲみたいな戦闘システムだと、キャラクターがかっこよく見える機会がすくない（個々のキャラクターにビジュアルでいいシーンが与えられるのはミストナックのみ。ＭＰ消費がすごいわりに威力がそこそこなので、あまり使わないし。倒し損ねるとＭＰ切れてひどいことになる）、召還獣が弱い、など、システム面でも気になるところは多いのですが・・

どうも、各プレイヤーキャラクターの個性が弱い。
特に、主人公であるはずのヴァンの個性が一番弱いのはどうなのか。昨今の主人公は個性が強すぎるという意見もあるけど、これくらいだったら、いっそしゃべらない主人公にするとか、もっと物語がから切り離すとか、そういう手はあったのではないかなぁ？声優の下手さもまずい。パンネロに関しても同じである。（ちなみに、この２人以外は、豪華声優人だし、非常にうまい）
物語に関わっていく唯一の接点である兄の死はわりと序盤に決着がついてしまい、彼が一行に加わる理由は純粋に「巻き込まれ」たから（自分から首を突っ込んだともいうが）にすぎない。ヴェインとの因縁も、彼の立場ではあまりに薄いのではないかなぁ。「闘う理由」が彼にはなかったと感じられてしまう。「ダルマスカのため」っていう理由は、アーシェのほうに圧倒的に重点がおかれているうえに、彼等の立場が弱すぎるために、前面にでてこれなかった。むしろもっと、「空賊になる」という夢を押し出していって、その先に絡めて行くほうがよかったのではないかなぁ・・。エンディングではそういうものを感じるわけだし。空賊になりたそうにみえねぇんだよお前。
むしろ主人公に据えるべきはアーシェであったと思う。実際話の中心は彼女。
ＰＣ間のカップル化がなかったのは、むしろよかったとは思うのだが、それでも主人公の選択はおかしいじゃないか・・と思う。ヴァンはパンネロ以外のキャラとの絡みが弱すぎた。

バッシュは、なぜあんなにすぐに疑いを晴らしてしまうのかがちょっと疑問。もうちょっとひっぱってもよかったんじゃ？まぁその場合仲間になるのが遅くなるとは思うけど、少しくらい遅くなってもいいんじゃないだろうか。ガブラスとの絡みをもっと表現してからでも、遅くはなかったと思う。あれではなんの驚きも感じられないし、ラストのガブラスの願いの重みも薄くなってしまうと感じる。

バルフレアとアーシェに関しては、非常によかったと思う。この２人はしっかりと話の中心にいたし、悩みも他キャラとの関わりもあって、個性がしっかり描けていたと思う。
シドもいいキャラをしていたので、絶海の塔でのイベントはなかなか面白かった。
フランは・・まぁ彼女はきっとサブキャラなのだろう。キャラクターとしては非常にいい味をだしていたのでＯＫ。

やはり主人公は「オレは主人公」というバルフレアだったのか・・とも思う。
ヴァンを主人公にするなら、大空賊であるバルフレアとの絡みをもっと前面に押し出していれば、最後に操縦を任せるシーンを感動的にできた気がするのだが。
なんというか、もったいないことである。

ストーリー全体については、帝国側のイベントが圧倒的に面白かった感がある。物語の中心は戦争だしね。
しかしそれを考えると、どうしてもオキューリアの存在はうそくさい。なんか、後から加えた感が激しくある。これがなくても、話できるんじゃないか？出てきたときは、「おお、こいつらが真のクロマクで、こっから話に大きな変化が！？」とか思ったが、そうでもない。わりとあっさりと消えてしまったのでビミョー。こうして考えると、シドも、単品としてはいい出来だが、シナリオ全体としては微妙な存在に・・
シドの闘う理由を別に用意し、破魔石を中心に互いの勢力が闘う・・そして、破魔石の中心たる天陽の繭・・別にオキューリアがいなくたって、それでよかった気もするのですが。歴史の操作って、テーマへの干渉度合いが微妙すぎるんだが。

最後の戦争と、それをとめにいくアーシェたち（ヴァンたちとは言わない）という構図は非常に王道でよかったのだが、そこに至る過程が微妙。
アルシドとか、ラーサーとか、レダスのおっさんとか、ガブラスとか、ジャッジ内の対立とか、元老院とか、ヴェインとか（帝国側多いな）、個々のキャラ設定と演出で非常にいい者は多いのに、ＰＣたちと絡めにくいのが多すぎる。ガブラス周りの話は唯一ＰＣたちに直接関わってきたので非常に面白かったが（バッシュのところに書いたもったいない部分はあるにせよ）、どうして全体としてちぐはぐかって、ＰＣたちとあんまりつながってないからなんだよな。
会わずに散ってしまったジャッジもいるし。
どうしても、ＰＣたちがやってることが帝国に与えてる影響が微妙に見えてしょうがない。突然ヴェインを倒して終わりという感じも・・まぁこれは極端すぎますが。
戦争ってそんなもんだといわれるかもしれませんけど、そういうならアーシェの立場もないし、もっとＰＣの細かいところをやる余裕もありそうなもんだが。


モブ狩りは結構楽しかったけど。
エンディング周りの演出のよさ（ヴァンがもうちょっとキャラ立ちしてれば、もっとかっこよくなったと思うんだけどなぁ）、帝国側のストーリーの秀逸さを考えても、中の中で精一杯ってところですね。ＦＦとしては微妙だったなぁ。とりあえず、テイルズオブジアビスのほうがなんぼか面白かったぞ。やっぱり各キャラの個性って大事だなと思うよ。ジアビスはストーリー自体は中の上ってとこだが、キャラ立ちが非常にいいからねぇ。


期待の割にはちょっと残念・・・ってところですか。
批判ばかり言ってますが、まぁ期待度のワリには・・ってところも大きいんで、なかなかに遊べるＲＰＧだと思います。やりこみはまだまだできるようだし。
ただ、ＦＦ１０などで面白い！と感じて１２をやる人は、ちょっと違う雰囲気を感じるかと。